Apple 2026年7〜9月期 決算の概要と今後の見通し
対象期間: 2026年7〜9月期(Appleの会計年度では2026年度 第4四半期、6月28日〜9月26日。2026年11月2日発表)/ 金額は億円表示(換算レート: 1ドル=158円、固定) / 作成日: 2026年11月3日
1. 売上構成
| 区分 | 売上 | 構成比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 製品(小計) | 13兆989億円 | 72.4% | +12% |
| うち iPhone | 9兆981億円 | 50.3% | +17% |
| うち Mac | 1兆7,051億円 | 9.4% | +24% |
| うち iPad | 9,842億円 | 5.4% | −10% |
| うち ウェアラブル・ホーム・アクセサリ(Apple Watch、AirPodsなど) | 1兆3,114億円 | 7.3% | −8% |
| サービス(App Store、iCloud、Apple Music、広告など) | 4兆9,885億円 | 27.6% | +10% |
| 合計 | 18兆874億円 | 100% | +12% |
地域別の売上
| 地域 | 売上 | 構成比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 南北アメリカ | 7兆6,914億円 | 42.5% | +10% |
| 欧州(インド・中東・アフリカを含む) | 5兆573億円 | 28.0% | +12% |
| 中華圏(中国本土・香港・台湾) | 2兆7,712億円 | 15.3% | +21% |
| 日本 | 1兆333億円 | 5.7% | −1% |
| その他のアジア太平洋 | 1兆5,342億円 | 8.5% | +15% |
Appleは、端末などの製品と、App Storeや有料会員などのサービスの2つに分けて売上を開示しています。
2. 利益率
製品(粗利益率)
37.2%
粗利益 約4兆8,727億円 / 前年同期 36.2%
サービス(粗利益率)
76.0%
粗利益 約3兆7,888億円 / 前年同期 75.3%
Apple全体(粗利益率)
47.9%
関税の還付で約1ポイント上振れ / 前年同期 47.2%
Apple全体(営業利益率)
31.1%
営業利益 約5兆6,297億円 / 前年同期 31.6%
純利益率
26.8%
純利益 約4兆8,523億円 / 前年同期 26.8%
営業利益までの内訳
| 項目 | 2025年 7〜9月期 | 2026年 7〜9月期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 製品の粗利益 | 4兆2,181億円 | 4兆8,727億円 | +16% |
| サービスの粗利益 | 3兆4,198億円 | 3兆7,888億円 | +11% |
| 研究開発費 | ▲1兆4,008億円 | ▲1兆8,533億円 | +32% |
| 販売費及び一般管理費 | ▲1兆1,136億円 | ▲1兆1,785億円 | +6% |
| 合計(営業利益) | 5兆1,235億円 | 5兆6,297億円 | +10% |
決算発表では、製品・サービスごとの営業利益は示されていません。研究開発費の伸び(+32%)が売上の伸び(+12%)を上回ったため、営業利益率は前年同期より下がりました。
3. 2026年度(通期)の実績
| 項目 | 2025年度 | 2026年度 | 前年度比 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 65兆7,534億円 | 75兆6,558億円 | +15% |
| うち iPhone | 33兆1,146億円 | 40兆1,475億円 | +21% |
| うち サービス | 17兆2,470億円 | 19兆4,816億円 | +13% |
| 粗利益率 | 46.9% | 48.8% | — |
| 営業利益(営業利益率) | 21兆219億円(32.0%) | 24兆9,740億円(33.0%) | +19% |
| 純利益 | 17兆6,976億円 | 20兆8,836億円 | +18% |
| 営業キャッシュフロー | 17兆6,142億円 | 22兆9,253億円 | +30% |
| 設備投資 | 2兆90億円 | 1兆4,285億円 | −29% |
| 自社株買い | 14兆3,323億円 | 13兆6,496億円 | −5% |
| 配当 | 2兆4,365億円 | 2兆4,839億円 | +2% |
Appleの会計年度は9月の最終土曜日で終わります。2026年度は2025年9月28日〜2026年9月26日です。
4. 事業計画 及び 経営陣の見通しコメント
10〜12月期の見通し
- CFOのパレック氏は、10〜12月期の売上は前年同期比7〜10%増になる見込みだと述べています。供給が足りない状況を織り込んだ数字で、四半期として過去最高の売上になる見込みだとしています。
- サービスの売上は前年同期比8〜9%増、粗利益率は45〜46%の見込みです。7〜9月期(47.9%)より下がる主な理由は、メモリの価格上昇と、Siri AIの立ち上げに伴う費用です。
- 営業費用は約3兆2,232億〜3兆2,864億円(前年同期比11〜13%増)の見込みです。主にAIを中心とした研究開発への投資によるものです。
- この見通しは、現在の関税率と関税政策が続き、景気の見通しが悪化しないことを前提にしています。COOのカーン氏は、10〜12月期より先の見通しは示さないと述べています。
メモリの価格上昇と値上げ
- CFOのパレック氏によると、関税の還付分を除くと、7〜9月期の粗利益率は前の四半期より約1ポイント下がりました。その理由はすべてメモリの費用の上昇です。
- CEOのターナス氏は、メモリの価格はこれまでにない水準だと述べ、10〜12月期はさらに上がり、その後も上がり続けると見込んでいます。
- CFOのパレック氏は、6月にiPadとMac、9月にiPhoneの価格を、やむを得ず引き上げたと述べています。
- 製造に関する購入の約束(今後部品などを買い取る契約)は、6月から9月の間に約5兆2,140億円増えました。
供給の制約
- COOのカーン氏によると、7〜9月期はiPhone・Mac・iPadのいずれも、主に最先端の半導体が足りないために供給が制約されました。2nmの半導体に移るにつれて緩和しているとしています。
- 10〜12月期は、需要が想定を上回ったため、MacとiPadで主にメモリによる供給の制約が出る見込みです。新機種のiPhone Duoも供給が足りず、需要と釣り合う時期は予測が難しいと述べています。
AI(Siri AI)
- Siri AIは、9月に米国の英語でベータ版の提供を始め、10月にフランス語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語に広げました。
- CEOのターナス氏によると、Siriは1日に25億件以上の依頼を処理しています。Siri AIなどサーバー側で処理する機能には利用の上限を設け、より多く使いたい利用者は、将来、追加の利用枠を買えるようにするとしています。
- CFOのパレック氏は、Siri AIのクラウドでの処理費用は、サービスの売上原価に計上すると述べています。
- 決算説明会では、AI向けの設備投資やデータセンターの金額は示されていません。2026年度通期の設備投資は約1兆4,285億円で、前年度より29%減りました。
利用者の規模とサービス
- 使われている端末は25億台を超え、主な製品・地域のすべてで過去最高になりました。有料のサブスクリプションは15億件を超えています。
- サービスの売上は過去最高で、動画、クラウド、決済、広告で過去最高を記録しました。
- CFOのパレック氏によると、為替は3〜9月にサービスの前年比の伸びを約4ポイント押し下げました。App Storeのモバイルゲームの不振は今後も続く見込みです。
- iCloud+のプランにApple TVとApple Arcadeを含める形を100以上の国と地域に広げ、米国とカナダではApple マップの広告を始めました。
中華圏の回復
- CEOのターナス氏によると、中華圏の売上は7〜9月期に前年同期比21%増で、四半期として過去最高でした。2026年度通期では28%増です。
- 伸びの中心はiPhone(7〜9月期として過去最高)とMac(2桁の大きな伸び)です。中国本土でのiPhoneの買い替えも過去最高になりました。
財務面の状況と株主還元
- 9月末の現金・有価証券は約21兆6,460億円、借入金などの負債は約12兆6,400億円です。
- 7〜9月期の営業キャッシュフローは約4兆4,240億円で、同じ額の約4兆4,240億円を株主に還元しました(自社株買い 約3兆7,920億円、配当 約6,162億円)。
- CFOのパレック氏は、現金と負債を差し引きゼロに近づける目標(ネットキャッシュ・ニュートラル)をやめ、今後は現金と負債を別々に管理すると述べています。必要な投資は続け、余った現金を株主に還元する方針は変わらないとしています。
- 配当は1株あたり0.27ドルで、11月16日に支払われます。
出典
Appleの会計年度は9月末で終わるため、2026年7〜9月期はAppleの2026年度 第4四半期にあたり、2026年度の通期決算も同時に発表されています。