Advanced LUFS Unifier

Version 1.0 | 2025年12月

Advanced LUFS Unifierは、オーディオファイルの音量を統一し、プロフェッショナルなマスタリング処理を行うツールです。True Peak制御、ダイナミクス圧縮、LUFS正規化を組み合わせた3段階処理により、高品質な音声出力を実現します。

目次

主な機能

オーディオ処理機能

メタデータ・品質保持

パフォーマンス

動作環境

必須環境

重要:FFmpegがシステムのPATHに設定されている必要があります。コマンドプロンプトで ffmpeg -version が実行できることを確認してください。

使い方

基本的な使用方法

  1. advanced_lufs_unifier.exe にオーディオファイルをドラッグ&ドロップ
  2. 処理が自動的に開始されます
  3. 処理完了後、元ファイルと同じフォルダ内に compressed サブフォルダが作成され、その中に _compressed サフィックス付きファイルが出力されます
ショートカット使用時:EXEファイルのショートカットを作成してデスクトップに配置しても、同様に動作します。

出力ファイル名と保存場所

入力ファイル 出力ファイル
C:\Music\01 夕暮れハート.wav C:\Music\compressed\01 夕暮れハート_compressed.wav
D:\Audio\song.flac D:\Audio\compressed\song_compressed.flac
E:\Files\track.m4a E:\Files\compressed\track_compressed.m4a
注意:compressed フォルダが存在しない場合は自動的に作成されます。

処理の流れ

Advanced LUFS Unifierは、以下の3段階で音声を処理します:

第1段階:リニアゲイン調整

Linear Gain = Target TP - Original TP

第2段階:ダイナミクス圧縮

第3段階:LUFS正規化(2-pass、リニアゲイン)

補正処理

設定ファイル

advanced_lufs_unifier.yaml ファイルで全てのパラメータを調整できます。

デフォルト設定

target:
  true_peak: -0.1      # True Peak目標値(dB)
  lufs: -16.0          # LUFS目標値

processing:
  max_workers: 4       # 並列処理数(CPUコア数に応じて調整)

compressor:
  threshold: -16       # コンプレッサー閾値(dB)
  ratio: 2.5          # 圧縮比
  attack: 20          # アタックタイム(ms)
  release: 250        # リリースタイム(ms)
  knee: 2             # ニー値(dB)
  detection: rms      # 検出方式(rms/peak)

loudnorm:
  lra: 11             # ラウドネスレンジ目標値(参考値)
  linear: true        # リニアモード(true=リニアゲインのみ)

コンプレッサー設定の詳細

コンプレッサーは、ダイナミックレンジ(LRA)を調整する重要なパラメータです。

1. ratio(圧縮比)- LRA変化への影響が最も大きい

設定値 効果 LRA変化の目安 用途
1.0 圧縮なし ほぼ0 ダイナミクスを完全に保持したい場合
1.5 軽い圧縮 -0.5 〜 -1.0 クラシック音楽、アコースティック
2.5(デフォルト) 中程度の圧縮 -1.3 〜 -1.8 バランスの取れた一般的な設定
4.0 強い圧縮 -2.0 〜 -3.0 ポップス、ストリーミング向け
10.0以上 リミッター的な圧縮 -3.0以上 最大音圧、ラウドネス重視

2. threshold(閾値)- どの音量から圧縮を開始するか

ヒント:threshold を下げると、より多くの音が圧縮対象になるため、全体的に穏やかな圧縮になります。逆に上げると、ピーク部分だけが強く圧縮されます。

3. attack / release(反応速度)

4. その他のパラメータ

設定のカスタマイズ例

例1: クラシック音楽向け(ダイナミクス重視)

target:
  true_peak: -0.5
  lufs: -18.0        # 音圧を控えめに

compressor:
  threshold: -18
  ratio: 1.5         # 軽い圧縮
  attack: 50         # ゆっくりした反応
  release: 500       # 滑らかな解放
  knee: 4            # 滑らかな圧縮開始
  detection: rms

例2: ストリーミング配信向け(-14 LUFS、音圧重視)

target:
  true_peak: -1.0
  lufs: -14.0        # ストリーミング標準

compressor:
  threshold: -14
  ratio: 4.0         # 強めの圧縮
  attack: 10         # 速い反応
  release: 200
  knee: 2
  detection: rms

例3: ポッドキャスト向け(音声明瞭度重視)

target:
  true_peak: -1.0
  lufs: -16.0

compressor:
  threshold: -18
  ratio: 3.0
  attack: 5          # 非常に速い反応
  release: 150
  knee: 1
  detection: rms

例4: ダイナミクスを保持(圧縮最小限)

target:
  true_peak: -0.1
  lufs: -16.0

compressor:
  threshold: -16
  ratio: 1.0         # 圧縮無効
  attack: 20
  release: 250
  knee: 2
  detection: rms
注意:LRA(ラウドネスレンジ)の変化は、主に ratiothreshold によって決まります。元の曲のダイナミクス特性によって、実際のLRA変化は異なります。

対応フォーマット

フォーマット 拡張子 メタデータ カバーアート 備考
WAV .wav ID3v2.3 Windows日本語環境完全対応
FLAC .flac Vorbis Comment 可逆圧縮
ALAC .m4a iTunes metadata Apple Lossless(可逆圧縮)

サンプリングレート・ビット深度

メタデータ処理

WAVファイルの特殊処理

WAVファイルには、ID3v2.3タグを使用してメタデータを保存します:

ID3v2.3タグはMp3tag、foobar2000、iTunes等の音楽ソフトで表示・編集が可能です。UTF-8エンコードにより、特殊文字を含むアーティスト名も正しく保存できます。

保持されるメタデータ

技術仕様

オーディオエンジン

処理精度

パフォーマンス

トラブルシューティング

設定ファイルが読み込まれない

症状:YAMLファイルを編集しても設定が反映されない

解決方法:

True Peakが目標値より低い

症状:一部ファイルのTrue Peakが -2.0 dBなど、目標値より低くなる

原因:これは正常な動作です。LUFS目標を達成するため、True Peakを意図的に下げています

対処:LUFS目標値よりTrue Peak制御を優先したい場合は、YAMLファイルでLUFS値を調整してください

日本語ファイル名が文字化けする

解決方法:

メタデータが失われる

原因:元ファイルに異常なメタデータが含まれている可能性

対処:

ライセンス

このツールは個人使用・商用使用ともに自由に使用できます。

制作

Created with Claude (Anthropic) - 2025


サポート:問題が発生した場合や機能要望がある場合は、YAMLファイルのカスタマイズをお試しください。より詳細な技術情報が必要な場合は、FFmpegとMutagenの公式ドキュメントを参照してください。