岸部眞明 The 直伝 プレミアム マンツーマンレッスン

平成25年8月24日(土)、3年ぶりに岸部眞明さんのマンツーマンレッスンを受講してまいりました。3年前の前回と比べて自分がどれくらい変われたのかを確かめる意味で参加してみようと思い、今回申し込みました。今回も1時間バッチリ録音しておいたので、そのもようを詳細に記して残しておこうと思います。

レッスン開始時間の17:00より約30分ほど早めにドルフィンギターズ江坂店に到着。片岡スタッフとしばし談笑。ギターケースについての情報交換、そして「ドルフィンラヂオな時間」への出演要請(笑)を受けつつ、17時前に岸部さんが目の前に現れました。

先に部屋に入って準備をどうぞ。

早速レッスン部屋へ入り、チューニング、Zoom Q3HDのセット(音声のみ)、椅子・足台の調整等、準備は完璧です。楽譜も持って行ってましたけど結局使わなかったな^^; そして岸部さんがご入場。

お久しぶりです。今日は「奇跡の山」でしたよね? ちょっと5弦の音出していただけますか?

一瞬でチューニングを終えた岸部さんの前で、とりあえず課題曲「奇跡の山」を1クール弾いてみました。

はい。右手も綺麗ですし基本大丈夫なんですけど、ひとつ、これがあるんですよね。もう1回最初から弾いてみてください。

再度最初から弾きました。すると途中で…

そこからね、2弦(の開放)も弾いてはるんです。そしてここも…おそらくそういうところ以外で全部の指でバラーンと弾く部分が結構あるんですけど、その延長で弾いてしまってるんですね。

僕が知らず知らずのうちに2弦を弾いていた箇所は以下のとおり。

和音で余計な音を弾いてしまっています。ここ(10小節目)あんまりバランとしなくてもいいですよ。僕は癖みたいな感じで弾いてますけど。

ここで岸部さんは割りと長めに弾いてくださいました。こりゃサービスですね。貴重な岸部さんの生音をお聴きください。

18小節目の頭は、3弦を押さえている左手中指で触れて2弦のミュートをしているのか聞いてみました。

うーん、中指で勝手に触れてるって感じですかね。(しばし弾いて…)でも…浮いてるかもわからんな(笑) それでね、これフォルヒでしょ?これね、結構ここ(ネックを指差して)幅広いんですよ。だからこういうのは押さえにくいっていうのもあると思います。

だから、岸部さんもフォルヒ持ってるけどあんまりライブでは弾かないのかな? そしてもう一度18小節目から弾いてみるよう言われたので弾きました。

はい、いいんじゃないですか。何をしてもらいたかったかと言ったら、ここ(繰り返しになる20小節目の頭)に行く時に、何も言えへんかったら多分この5弦をミュートしてなかったりするんですよ。今はちゃんと(親指で5弦を)触れてはったからいいと思います。直前で5弦を弾いてるじゃないですか。やっぱりこれがずっと振動してるわけですよ。

実はこれ、意識してなかったけど結果的に出来てました(笑) この曲の1拍目はだいたいバラ弾きになってると思うんですけど…

うーん、和音は大体バラッと弾くことが多いですね…あのね、元々このバランと弾くというのは、こういうようなことから来たんだと思うんですね。例えば、こういうド・ソ・ドという音を弾くことがあると思うんです。これをポーンといっぺんに弾くと、ドとソとドしかないから、響き的には割りと出来上がってるというか、あんまり彩りとして無いわけですよ。こういう時にポーンと弾くとあんまり面白くないというか。それでちょっとポロッと(ばらして)弾いてみると響きとして変わってくる。そういうところから出てきたと思うんですよね。

それでね、このポロッと弾くというのは結構時間がかかるテクニックの一つです。綺麗にポロッと音を出すというのは。そしてこういう(10小節目の頭)ところは不規則ですよね、中指で2弦は弾かないという…

ふむ。割りと適当にバラ弾きしてたなそう言えば。再考の余地ありですな…。そしてここでどうしても聞いてみたかったことの一つ、僕の今の右手のフォームはどうなのかということを聞いてみました。

綺麗なフォームだと思います。いいんじゃないですか。全然問題ないですよ。

こう言われた時は飛び上がるほど嬉しかったですね。3年前のレッスンでは徹底的に右手のことを言われたので、何か悔しくて(笑)そこから半年ほどメチャクチャ練習したんです。その成果を岸部さん本人に認めてもらえたので本当に嬉しかった(ToT)… で、ここで突然なんですが、ちょっと気になることがふと頭をかすめたので「November」の話に変えました。最初からまず僕が弾いてみて気になるところまで来た時に聞いてみました。ここも2弦は弾いていないのかな?と思って…楽譜を開いていたらすぐわかったんですけど…^^;

えーどうやったかなあ。しばらく弾いてないんで(笑)ちょっと待ってくださいね。

「奇跡の山」の18小節目と左手の形が同じだったので聞いたんですが…必死に思い出そうとする岸部さん。

うん、これは2弦弾いてますね。それより…この部分(8小節目の頭)でまた2弦を弾いてはったと思うんですが、ここは弾かないんです。

うわ、確かに弾いてしまってました(汗)。

このコードっていうのはね、Em なんですよ。すると2弦の開放は 11th になるんです。マイナー11thって結構クセのある響きなんです。そしてこっち(12小節目の頭)はね、(2弦開放が)9th になるんです。これはそんなにクセはないというか。(11thは)弾いても和声的に間違いではないけど、クセがあるんですね…

ふむ。楽譜をよく見て不要な音を弾いていないか再度チェックやな。そして、3年前は同じ部分の右手について質問しましたが、今回は左手運指でいつも悩んでしまうのでまた質問しました。

2クール目のサビに入るところ。ここは赤で表示したように岸部さんは押さえています。これについては僕もYouTubeで何度も見ましたのでわかっていました。単音弾きが5音続く最後が2弦7フレットの薬指ですからそのまま4フレットまで滑らせればそれほど難しくない運指になっています。左手の形がややいびつで押さえにくいっていうのはありますが。そしてその次です。

岸部さんはこう押さえてました。僕もこう押さえようとはいつもしているのですが、単音5音弾きの後赤丸で囲んだ運指に移動するのがどうも上手くいかない。単音弾きの最後は左手が2弦人差指で終わって次は小指に入れ替えなければならないし、2・3弦に気を取られていると6弦がきちんと押さえられないんです(みんなそんなことないかな?)。何かイイ案はないか聞いてみました。

もしこの運指がやりにくいんやったら、さっきと同じ運指(※2の親指を使うパターン)でもいいと思いますよ。

やってみました。これはこれでやりにくいんですけど(笑)

えっとね、左手の準備の仕方やと思うんですよ。(2弦7フレットの)人差指を押さえた時点で(中指と小指の)形を作っておくというか。そしてそのまま滑らせるイメージですね。

うん。これは岸部さんの言う指の準備に注意して再度練習やな。あと、右手の弾き方で一つ質問しました。

この21小節目の3音を弾くフレーズなんですけど、右手の人中薬と順番に弾くのが普通なのかもしれませんが、僕はどういうわけか(譜割のせいかもしれませんが)中人薬とやるほうが弾きやすいんです。これでいいのでしょうか?

いいんじゃないですかね。全然問題ないです。ここ以外でももし指がもつれるなあという箇所があったら、自分でいろんなパターンを試してみて一番しっくり来る弾き方でいいと思います。

そのまま1クール最後まで弾いていると、

あ、そこも2弦弾かないですよ。

本日同じ指摘3回目(ToT) 癖が付いてしまってるんやなあ。岸部さんはこのコードでは2弦を弾くことはまずないってことなのかな?

そんなわけでもないんですけどね。確かに開放のまま弾くことは少ないですかね。もし2弦を弾くんやったらこう(2フレットを)押さえてることが多いかもしれませんね。

ふむ。この手の形と2弦開放のことは一生忘れへんやろな(笑)。さて、曲についての質問が既になくなってきたので、そろそろ他の質問を。僕は日頃曲を弾く練習ばっかりしていていわゆる基礎練習みたいなことはほとんどやっていないんですけど、「岸部さんから見て、こういう練習したらいいと思う方法があったら教えてください。」と聞いてみました。

そしたらね、僕に右手を見せてもらっていいですか?手のひらを僕のほうに向けて。爪は伸ばせられるんですかね?

今伸ばしてるくらいやったら大丈夫なこと、補強もしている(ネイルエンヴィね)ことを伝えました。

問題があるわけではないんですけど、パッと見た感じ、中指の爪が短い感じがします。逆に言うと人差指の爪がちょっと出てるかなあというか。結構バランスっていうのが大事なんですよ。それで、今度はこう(爪の側面が見えるように)してもらえますか?…はい。割りと形としてはいいんじゃないですかね。フラットになってるほうがいいんです。しいて言えば薬指の爪がこういう(湾曲している)感じですかね。削り方とかはどうしてます?

まずは全体の形を整えて、爪をヤスリにまっすぐ乗せて平行に削る、これは前回のレッスンで岸部さんに教えてもらった方法です。弦に当たる部分を出来るだけフラットにするってことですね。僕の中指は巻き爪の傾向がありこれ以上伸ばすとどうしても引っかかるので前日に少し削った旨説明しました。だから他の指に比べ若干短いんだと思います。

そして爪の外側の曲線は、指先の形の延長と捉えて、できるだけ指先の形と同じにする、ということも前回のレッスン同様のご指示でした。

纏めると、爪の形、長さ、そして長さのバランスに気をつけてということですね。基礎練習をせず曲の練習ばかりしてるってことですが…僕がやっているってわけじゃないんですが、こうやって黙々とアルペジオの練習をやるしかないですね…

普段、曲を弾く時って親指ってどうやって弾いてます?

これも前回のレッスンで教えてもらったとおり、親指の第一関節を曲げず根元から弾くことを心がけている旨説明しました。

はい。それで全然いいんです。そしたらゆっくりしたアルペジオを一度弾いてもらえます?

弾きました。

はい。そしたらね、バリエーション持たしたらいいんちゃいますか。音の出し方。そうすることで曲を弾くにしても幅が広がると思うんですよ。今の親指の弾き方はアルアイレ(だけ)ですよね。親指もアポヤンドで弾く方法をマスターしはったらいいんとちゃいますかね。親指をズシーンと落とすイメージですね。

親指アポヤンドに挑戦してみました。あれ?爪が引っかかるなあ^^;

んでね。今(親指が)落ちにくそうでしたよね。これは爪の形が、伸ばし方が悪いんです。それは直しはったほうがいいです。

ここで岸部さんが自分のヤスリで僕の爪を削ってくれました。うーん、何か変な光景です(笑) 岸部さんが黙々と僕の親指の爪を削ります。

痛かったら言うてくださいよ。

一瞬歯医者に来てるのか?と錯覚してしまいました(笑) 岸部さんに削ってもらったけどまだイマイチ引っかかり感があったので更に自分で削ります。これでほとんど引っかかり感がなくなりました。

アルペジオでね、アポヤンドのベースって結構大事なんです。よく使うというか。やっぱりドシーンとした音を出したい時はアポヤンドやないと無理なんで。

親指を下の弦に当てて止める。ズシーンという感じ。この弾き方も出来るようにしはったらええと思うんです。結構使いますね。

岸部さんの、どの曲のどの部分で親指アポヤンドを使ってるのか聞いてみました。

どうやろなあ(笑)。(いろいろ弾いて探している様子だったが)他の指と同時に弾く時はなかなか出来ないですよね。下に向かって弾くのと、他の指で上に向かって弾くのと同時というのは。だからやるとしたら、親指だけで弾くフレーズになりますよね。

大事なことは、そういう(アポヤンドで弾く)ベースが欲しい時に自然に弾けるように身につけることですね。

あと、普段練習の時はどんな感じで弾いてはりますか?

何が聞きたいのかイマイチわかりませんでしたけど、曲をひたすら普通に弾くことをやっている旨説明しました。

はい。そしたらね。普通のアルペジオを弾く時に、例えば1弦だけ意識してアクセントをつける練習とかしたらええんとちゃいますか。

例えばこういうことです。

更にこういうことですね。

特定の弦だけにアクセントをつける。これやってみましたけど、結構難しいですよ。

これは自分で思っている指だけ強く弾く練習です… あとは、自分でいろんな音を出す練習をしはったらええんとちゃいますかね。右手の形とかは凄く綺麗ですし、ちゃんと身に付いてるので全然いいんですけど、それはあくまで基本なんです。だから自分でいろいろ弄くってみたらええんちゃいますかね。

例えば、手の甲は表板に対し平行に、って言ってたと思うんですけど、ほんのちょっとだけこう(ネック側に傾ける)してみるとか。どっちかと言うと、これクラシックに近いんですけど。するとほら、若干出てくる音が違うでしょ? そして今度は逆に傾けてみるとか。いろんなことを試してみて、要は自分が出したい時にその出したい音を出せるようにする。そういうことをやってみたらええんちゃいますかね。

今までは前回のレッスンでのことで頭がいっぱいで、その弾き方にこだわってずっと練習してきたけど、そろそろ他の弾き方を試す時期に来た、そう考えればいいのかな。

そしたらね、こういうフレーズを弾いてもらえますか?

Open Dの4カポです。

これを弾く時に、自分の中でどこか変えてみるとか。6弦がベース、1弦はメロディ、2・3弦は伴奏という感じですよね。

基本的な弾き方

これは、僕の中では全部の音がまあ大体同じ感じ。同じ線上に音があるというか。そして今度は例えば…

若干変化させた弾き方

何かこう、1弦のメロディだけをちょっと意識して弾くと少し違いが出てきますよね。こういう意識を持つと、曲を弾く場合でもメロディがより浮き出てきたりすると思うんですね。全部の音を同じ延長線上で弾くと、メロディはあるんやけど何かボワーンと一定になってしまう。メロディを意識するかしないかだけで出てくる音は全然変わってきます。だからちょっとメロディの部分の弾き方を変えてみる。そういう意識で練習しはったらええと思います。

更に少し変化させた弾き方

クラシックではよくアポヤンドでメロディを弾くじゃないですか。メロディを目立たせるためですね。ちょっと前にクラシックの人に聞いたんですけど、アポヤンドは効果的なんですが欠点もあるんです。隣の弦に当てて止めるという弾き方なので、隣の弦の音を消してしまうんですね。それを解決しようと思ったら、アポヤンドの意識で音を出すしかないというか、アポヤンドのようなアルアイレで弾くというか。そういうのんがあるって言ってましたね。

なるほど。僕も自分の演奏が全体的に平坦になってるな〜って最近思っていたので、この機会にいろいろやってみることにしよう。さて、ちょっとここで機材の話に移ることにしました。僕はたまにライブをやる時があって、ピックアップのAnthemから卓へ直行させていること、とりあえずこれで何とかなっていること(笑)を説明し、岸部さんがライブでの音作りで気をつけていることは何かを聞いてみました。

ピックアップも付けられているということなので、家でいろいろ音を試したりセッティングを考えたりされていると思うんですけど、それはライブではあんまり役に立たんということですね。ライブ現場って使っている機材も違うし広さも違うし、全く同じ環境にはならないんです。現場で実際に音を出してみて聴いて、そこから考えるしかないですね。

僕は自宅には、ライブ会場のようにピックアップに繋いで鳴らす環境・機材は持ち合わせておらず、現場に行って音を出してから考えることしかしていない、と説明しました^^;

はい。機材の基本的な扱い方は知らんとアカンと思うんです。ここはこうやったらこう音が変わるとか。僕はM-Factoryを使っていて大体自分の基本的な設定というのがあるんですよ。でも現場へ行って出てくる音を聴いて調整するってことですね。

僕が外付けのプリアンプ、そしてイコライザーも所持していないこともここで伝えました(笑)。

現場のPAのイコライザーってね。本当は弄くらずに済むならそれに越したことはないんです。出来れば弄くらない方がいいに決まってるんです。会場がこんな音やから、低音域が回るとかハイの抜けが少ないとか、会場毎に設定、チューニングしてあるんです。僕らが送り込んでいる音、それをそのままPAに渡して出てきた音がええ音やったらPA側は何も弄くらなくていい。

もし音を出してみて、ハイがきつかったとしますよね。そしたら自分のコントローラーのハイをちょっと落としてみます。それでもそれが全然効かない時があるんですよ。その時はミキサー側のイコライザーのハイを下げてもらうしかないですね。

自分が理想とする良い音と実際に今現場で出てる音がどう違うのか。プラスマイナスで考えて弄くったらいいと思います。

やっぱり手元で音を調整できる機材が何か必要ってことですね。イコライザー付きのプリアンプとリバーブくらいは買わなあかんなあ…^^;

それでね。こういうピックアップって言うのは大きなホールになればなるほど難しいです。特定の弦がフィードバックみたいにボワーンと鳴ってしまってどうしようもなくなるってこともあります。そういう音をいかに抑えるか、無くすか。僕がライブハウスとか行って音を出すでしょ。するとまずそういう音が無いか調べるんです。

で、もし開放弦でそういう音があったりすると結構まずいんです。開放弦は触れないと音が消えないわけですからね。それが例えばAの音やったとします。Aの音だけに反応する、そういうことがあるんですね。B♭には全然反応しないのにAになるとフィードバックしてしまう。そういう時ってね、グラフィックイコライザーとかを弄ると多少マシにはなったりするんですけど、他の音まで下げてしまうことになる。まあパラメトリックイコライザーってのもあって、特定の周波数だけガンって落とせるんですけど、その場での扱いがなかなか難しいんです。そしたらどうするのかと言うと…

チューニングのピッチを変えるんです。Aよりほんのちょっとだけ下げてみるとか上げてみるとか。そしたら止まる時があるんですよ。特定の周波数に反応してることが多いってことですね。もし実際にライブをやってる時にフィードバックに悩んでどうしようもなくなったら、一度試しはったらいいです。

僕はそんなに大きいホールとかで演奏はしないんですが^^; ピッチを変えるのか。なるほど…φ(..)メモメモ

そもそも、ソロギタリストってM-Factoryを使ってる人が多いですよね。岸部さんもそうだし。ここで、なぜ岸部さんがM-Factoryを使っているのかを聞いてみました。

僕がこれを使い出したのはもう若い頃でね、ライブ活動をし始めた頃からこれを使ってるんですけど。これはやっぱりイサトさんの影響じゃないですかね。イサトさんや倫典さんがソロギターの活動をし始めた頃、M-Factoryの三好ってやつがいて僕より1つか2つ下なんですけど、その頃にウインダムヒルとかマイケル・ヘッジスとかが来日して、こういうシステムとかをやりだしてたんですね。当時のピックアップシステムって、なんちゅう名前やったかなあ、こうやってペタンと貼り付けるようなやつしかなくて(※たぶんバーカスベリーとかのことやと思います)、ハウリングとかを抑えるのが難しいわけですよ。そこでマイケル・ヘッジスのクリアなサウンド、サンライズとか、ああいうのが普及しだしたんですよ。

このシステムってね、ハウリングとかを抑えるのはやっぱり楽ですよ。ピックアップシステムってね、大きな音を出せば出すほどハウリングしやすいわけで、空気の振動を拾うエア・マイクとかコンデンサマイクとかはなおのこと難しいんです。だからサウンドホールを閉じてみたりとかするんですね。(M-Factoryのコンタクト)ピックアップは空気の振動じゃなくてここ(表板)の振動を拾うのでハウリングには強いんですね。

M-Factoryの考え方というのは、マグネットピックアップの音って丸いんですよ。キンとした芯はないんです。かつ太い音なんです。一方コンタクトピックアップの音は結構シャリシャリなんです。どっちかと言ったらキツイ音ですね。僕がいいと思うのは、丸い音にビシっとした芯のある音を与えている・足している、というイメージなんです。

あとね、Fishmanってありますよね。コンデンサマイクとマグネットがあるじゃないですか。あれは考え方がまた違うんですよ。コンデンサマイクって難しいんですよ、ハウリングしやすいし。これはね、生音に近い音で大きな音を出すというコンセプトなんです。

ふむふむ。ここで僕のAnthemについて若干説明しました。コンデンサマイクとブリッジのアンダーピエゾピックアップのことを話しました。

どういった音を出したいのか、ってことでしょうね。押尾くんみたいにドカーっと重低音を出したいんやったら今の(Anthem)では無理があるんですね。ドカーンっていう低音を出したいんやったらマグネットのほうが楽やしハウリングが少ないです。海外の人でもどんな音を出したいかでピックアップを選んでると思います。海外の人でM-Factoryのようなシステムを使ってる人は少ないかもしれませんが、それも好みなんでしょうね。

あとね、ヨーロッパとかアメリカのギタリストはあんまりリバーブは好きじゃないですね、サウンド的に。来日してもリバーブは持ってきてないことが多いです。PAでちょっとかけてくれとかそんな感じが多いですね。それに手元でコントロールするというのもあんまりやらないですね。トミー・エマニエルとかピエール・ベンスーザンは自分のサウンドエンジニアがちゃんと付いていてやってますけどね。でも大抵の外国人ギタリストってギターだけ持ってきてシールド挿してPAへ直行、みたいな人が圧倒的ですね。リバーブとか、サウンドメイキングってあんまり考えてないというか。だからそういう人達にとったらFishmanのレアアースみたいなのがいいんでしょうね。

やっぱりマグネットの音のほうがリバーブのノリはいいです。エレキと同じ感覚ですね。逆にコンデンサマイクの音ってリバーブがかかりにくいんです。僕がマグネットを取ってコンタクトマイクだけで音を出したらああいう(ライブでの)深い感じにはならないと思います。ぼやけた音になってしまいます。マグネットの音やからしっかり(リバーブが)かかってくれる。イサトさんはこのシステム止めて今はオーバルでやってますけど、イサトさんは自分の音をいろいろ試して研究しはるから、もう自分の音になってるんですね。

このピックアップ(Anthem)でライブをやるんやったら、コンデンサマイクのミックスの量を少なめにしたほうがいいと思います。コンデンサは音作りがどうしても難しい。アンダーサドルのほうがパワーがあるんです。ハウリングで悩むようなことがあったら、コンデンサの混ぜ方を小さくする。全体を10としたらコンデンサを1か2くらいにするイメージ。サウンドもよりクリアになると思います。

というところで若干時間オーバーしましたが、終了です。いやー、今回も本当に勉強になりました。岸部さん、ありがとうございました!(^^♪


初稿
平成25年9月1日
ナビゲーション
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