LUFS Unifier GUI Version

リニアゲイン調整だけで LUFS を統一化するツールです。

GUI化した v3.0 では、不要なライブラリを削除し EXE ファイルサイズを大幅削減しています (134MB→25MB)。その効果で起動時間を短縮できています。

開発経緯

様々なところから集めてきたデジタル音源を一つにまとめてコンピレーション盤やベストアルバム等を作ろうとする時、必ず問題になるのが各曲の音量差です。音量が揃っていないとイライラして聴いていられません。それを解決するためにこのツールを開発しました。

本ツールの最大の特徴は、いわゆるノーマライズ処理では失われることが多い「音楽のダイナミクス」を可能な限り損なわないように設計されていることです。

概要

メイン機能

オプション機能

  1. 各ファイルの先頭末尾の無音部分を削除することができます。
  2. ALAC ファイル (Apple Lossless:可逆圧縮形式) へ変換・保存できます。(スマホ等で聴く目的)
  3. CDフォーマット (44.1kHz/16bit) の WAV ファイルへの高品質変換が可能です。
  4. このツールによる処理ログを保存することができます。

動作環境

OS
Windows 10以降
その他
FFmpeg インストール必須。FFmpeg Manager を使えば簡単にインストールできます。
または lufs_unifier_gui.exe と同じフォルダに ffmpeg.exe を配置すれば自動認識します。

配布ファイル

lufs_unifier_gui.exe
EXEファイル
Download
lufs_unifier_gui.zip (24.7MB)

対応フォーマット

WAV
無圧縮音声ファイル(あらゆるサンプルレート/ビット深度に対応)
FLAC
可逆圧縮音声ファイル(Free Lossless Audio Codec)
M4A (ALAC)
Apple Lossless Audio Codec 可逆圧縮音声ファイル

使い方

LUFS Unifier GUI

音声ファイルの選択と実行

処理内容

メイン処理

LUFS Unifier 機能、すなわちリニアゲインのみを調整して LUFS を統一化し WAV として保存する処理は必ず実行されます。

オプション処理

以下の処理はオプションで追加或いはスキップできます。チェックボックスで選択してください。

  1. LUFS 統一化処理の前段階で先頭末尾の無音部分を削除
  2. LUFS 統一化処理後の WAV ファイルを ALAC ファイル (Apple Lossless Audio Codec, 可逆圧縮形式) へ変換・保存
  3. LUFS 統一化処理後の WAV ファイルを CD 用フォーマット (44.1kHz/16bit) へ変換・保存
  4. 全処理ログをテキストファイルとして保存

CD 用フォーマットへの変換方法

リサンプリング
soxr HQ (高品質)
ディザリング
TPDF 三角波 (16bit変換時)
処理対象
44.1kHz/16bit 以外のファイルのみ自動判定して変換

この変換により、ハイレゾ音源から品質の高い CD 制作用音源を作成できます。

出力フォルダ

処理後は元の WAV ファイルフォルダに下記フォルダが新たに作成され、それぞれのファイルが保存されます。

元の WAV ファイルフォルダ
    |            └── *.wav (元の WAV ファイル)
    |── output_unified フォルダ
    |    |       ├── *_unified.wav (LUFS 統一後の WAV ファイル)
    |    |       └── *.txt (処理内容を記録したテキストファイル)
    |    ├── alac フォルダ
    |    |       └── *.m4a (変換後の ALAC ファイル)
    |    └── output_cd44 フォルダ
    |            └── *_unified_cd.wav (44.1kHz/16bit の WAVファイル)
    └── trimmed フォルダ (先頭末尾の無音削除ファイルを一時保存、処理完了後自動削除)

音響用語解説

RMS (Root Mean Square)

実効値とも呼ばれる音の平均的な強さを表す指標です。

何を測るか
音の「実際の力強さ」
特徴
人間の耳が感じる音量感に比較的近い
単位
dB(デシベル) 例: -12 dB RMSなど
用途
ミキシング時の音量バランス調整

LUFS (Loudness Units relative to Full Scale)

ラウドネス単位で、現在最も重要視されている音量測定基準です。

何を測るか
人間が実際に感じる「聴感上の音量」
特徴
周波数特性を考慮し、人の聴覚特性に最も近い
単位
LUFS
配信基準:
Spotify: -14 LUFS
YouTube: -14 LUFS
Apple Music: -16 LUFS
用途
ストリーミング配信用のマスタリング
本ツールでの測定方法
FFmpeg の ebur128 フィルター (ITU-R BS.1770-4 準拠) を使用

TP (True Peak)

真のピーク値で、デジタル変換時に発生する可能性のある最大音量です。

何を測るか
DA 変換 (デジタル→アナログ変換) 後に発生し得る実際の最大音量
特徴
通常のピークメーターでは検出できない隠れたピークを発見
単位
dBTP(デシベル・トゥルーピーク)
推奨値
-1 dBTP以下(クリッピング防止)
用途
マスタリング時の最終チェック
本ツールでの測定方法
FFmpeg の ebur128 フィルター (ITU-R BS.1770-4 準拠)により、LUFS と同時測定することで処理を高速化 (約1.5〜2倍)

LRA (Loudness Range)

ラウドネス・レンジで、楽曲全体の音量変化の幅を表します。

何を測るか
曲中の静かな部分と大きな部分の差
特徴
楽曲のダイナミクス(表現力)を数値化
単位
LU (ラウドネス・ユニット)
目安
3-6 LU: 圧縮が強い (EDM、ポップス)
10-15 LU: 適度なダイナミクス (ロック)
15+ LU: 豊かなダイナミクス (クラシック、ジャズ)

本ツールの動作に関する詳細

基本は LUFS を揃えることを目標としていますが、一定の LUFS 値に揃えるためのいわゆる「ノーマライズ処理」は行っていません。理由は、ノーマライズ処理では楽曲のダイナミクス (LRA) が大きく変化してしまうケースがあるからです。

よって本ツールではリニアゲイン調整のみで LUFS を統一しています。処理の流れは以下のとおりです。

  1. 各ファイルの LUFS と TP を測定 (ITU-R BS.1770-4 準拠)
  2. デフォルトで TP は -0.5 dB で制限し、各ファイルの TP と -0.5 の差を算出、LUFS を残りどれだけ上げられるか (あるいは下げられるか) で MAX LUFS をそれぞれ計算
  3. 各ファイルの MAX LUFS の最小値を全ファイルの Target LUFS とみなす
  4. 各ファイルの LUFS と Target LUFS の差だけそれぞれゲイン調整
  5. 4 を再解析し、最大 TP <= -0.5 となっていない場合は Target LUFS を調整して再度ゲイン調整
  6. デフォルトでは TP 0.01 dB の誤差を許容してゲイン調整を収束 (反復ゲイン調整は最大10回)
  7. 処理完了後、中間ファイル (trimmed フォルダ) を自動削除

このロジックにより、リニアゲイン調整だけで LUFS を統一することで LRA の変動を理論上はゼロにしています。

音質改善機能

以下の音質改善機能がリニアゲイン調整処理において自動的に適用されます。

DC 成分除去
DC 成分 (直流オフセット) を自動除去し正確なピーク測定を実現
Float64 高精度計算
内部処理を 64bit 浮動小数点で実行し、累積計算誤差を最小化
三角波ディザリング
16bit 出力時の量子化ノイズを低減 (24bit以上では自動的にスキップ。リミッティングは意図的に実装していません)
メモリ最適化機能
大容量ファイルの処理を安定して行うためのメモリ最適化機能が実装されています
動的ワーカー調整
ファイルサイズに応じて並列処理スレッド数を自動調整
ファイルサイズ判定
小サイズ (平均50MB未満): 指定する最大並列処理
中サイズ (平均50-100MB): 並列数75%に削減
大サイズ (平均100MB以上 最大200MB未満): 並列数50%に削減
超大サイズ(最大200MB以上): シングルスレッド処理
オンデマンド処理
音声データをメモリに保持せず、必要な時に元ファイルから読み込み

設定項目 (Settings)

Processing (処理設定)

Target True Peak (dB) (デフォルト値 -0.5)
True Peak の目標値。最終の WAV ファイルの True Peak は必ずこの設定値以下になります。クリッピングを防ぐため、通常は-0.5dB程度に設定します。
Max Iterations (デフォルト値 10)
LUFS 調整時の最大繰り返し回数。通常は1回で十分ですが、デフォルトでは余裕を見て10回にしています。ここは触る必要は基本ありません。
Max Workers (デフォルト値 CPUコア数の 1/2、最低 4)
並列処理の最大ワーカー数(スレッド数)。PC の CPUコア数に応じて調整すると処理が高速化します。ファイルサイズによる自動調整における最大値になります。
TP Convergence (dB) (デフォルト値 0.01)
True Peak (TP) の収束判定マージン。上記 Target True Peak と調整後の WAV ファイルの TP の差がこの設定値以内に収まれば調整完了とみなします。

Silence Trimming (無音削除)

Threshold (dB) (デフォルト値 -50.0)
この音量以下を無音として判定します。-50dB程度が一般的です。
Min Duration (s) (デフォルト値 0.05)
無音として判定する最小持続時間です。短すぎる無音は無視されます。
Head Keep (s) (デフォルト値 0.2)
曲頭から指定した時間は削除しません。フェードインなどを保護します。
Tail Keep (s) (デフォルト値 1.0)
曲末から指定した時間は削除しません。リバーブやフェードアウトを保護します。
Frame Length (s) (デフォルト値 0.1)
無音検出の分析フレーム長です。通常は0.1秒程度で十分です。

FFmpeg Timeouts

Check Timeout (s) (デフォルト値 10)
FFmpegの存在確認のタイムアウト時間。通常は10秒で十分です。
True Peak Timeout (s) (デフォルト値 30)
True Peak測定処理のタイムアウト時間。大きなファイルで失敗する場合は長くしてみてください。
ALAC Timeout (s) (デフォルト値 120)
ALAC形式への変換処理のタイムアウト時間です。大きなファイルで失敗する場合は長くしてみてください。

免責事項

更新履歴

2026年1月 v3.0
不要なライブラリを削除しEXEファイルサイズを大幅削減 (134MB→25MB)、起動時間を短縮。ファイルリストにツールチップ(フルパス表示)を追加。CD変換のリサンプリングを soxr HQ に変更。
2026年1月 v2.9
GUI Version として公開。yamlファイルを内製化、GUI上で設定を調整できるようにした。オリジナルの設定を yaml ファイルとして保存・読み込み可能にした。

開発者情報

開発者 Noriya
E-mail noriyahd28v@gmail.com
本ツールは音楽愛好家の皆様により良い音楽体験を提供することを目的として開発されました。ご質問やフィードバックがございましたら、上記連絡先までお気軽にお寄せください。